今、アイルランド(特にダブリン)のコーヒー・カフェ事情が熱い

アイルランドでの生活がスタートしてすぐに「アイルランドのカフェ・コーヒーのクオリティは高いんじゃないか?」と感じたのですが、アイルランドに来て1年半が経過した今、その感覚は確信へと変わってきました。

本日はアイルランドのカフェ・コーヒー文化に関して、僕なりの考察をまとめてみます。

 

1.独自の発展を遂げている

コーヒー先進国アメリカからの影響

アイルランドのコーヒーカルチャーは独特です。
ヨーロッパにありながらアメリカからの影響が強く、独自の発展を遂げました。今世界的にコーヒーが盛り上がりを見せている場所として、北欧、アメリカなどが挙げられます。特にアメリカ西海岸はサードウェーブ・ムーブメント発祥の地として有名。(※ムーブメントの源流は北欧のバリスタコミュニティ)
またアメリカ東部のニューヨーク、ブルックリン地区もインディペンデントなカフェが多く、この地域はニューヨークの中でもカウンターカルチャーとしてのオーガニックフードの動きが盛り上がっている場所です。そういった「食」へのこだわりか、大手チェーンではない良質なカフェがたくさんオープンしました。

そんなアメリカとアイルランドの結びつきは歴史的にも経済的にも強く、ダブリンにあるカフェにも多大な影響を与えています。
1840年代、深刻なジャガイモ飢饉から逃れるために多くのアイリッシュがアメリカに移り住み、両国間の人やモノの流動がより活発になりました。近年においても、アイルランド、アメリカ間の貿易額は年々拡大し続けています。

 

増えるイタリア移民

加えて、ヨーロッパからの移民が多いこともアイルランドの特徴です。ヨーロッパでコーヒー・エスプレッソが美味しい場所といえばイタリアですが、ダブリンにもイタリア系の「キャッフェ」「バール」はたくさんあり、美味しいコーヒーが楽しめます。また昨今のアイルランドの好景気から、さらにイタリアからの移民が増える傾向にあるとのこと。
 

ダブリン, アイルランド, カフェ, シリコンドックイタリアン・カフェ『il Valentino』

 

こうした背景から、ダブリンではおもしろい現象が起こっています。アメリカ風ともイタリア風とも言えないような、ミクスチャーなスタイルのカフェが徐々にでき始めているのです。例えば、ダブリンのヒッピー・ヒップスターの集うパブとして有名な『Bernard Show』。外観のグラフティアートはいかにもニューヨーク・ブルックリン風ですが、昼間は完全にイタリアン・カフェとして営業しています。カフェの奥にある2階建てバスをそのまま再利用したレストランは、ピザが専門です。

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Bernard Show外観

 
Bernard Showはまさに、アメリカとヨーロッパのテイストを融合させた、ダブリンならではの場所だと言えます。

参考:アイルランド基礎データ(外務省)

 

2.盛り上げようという全体意識

また、ダブリンのカフェ・コーヒーを取り巻く文化が活発な理由として、「もっと面白く!」という意識の強まりが挙げられます。
アートやニューウェイブに敏感な層に読まれている無料のカルチャー誌「Totally Dublin」にはアート・イベント・シアター・フィルムといったカテゴリーの他、カフェ・レストランガイドも掲載されています。Totally Dublinに名を連ねるカフェはどれも厳選されたクオリティの高い場所ばかりで、こういった媒体を通してカフェ全体のクオリティが底上げされていると言えます。
しかもこの媒体が素晴らしいのは、そういった新潮流のカルチャーばかりではなく、古き良きアイリッシュのパブも掲載している、というところ。古くから伝わるものに軸をおきながら、新しい文化も積極的に取り入れる、そんな姿勢が垣間見れる良質なフリーペーパーです。

アイルランド, カフェ, コーヒー

Totally Dublin

参考:Totally Dublin(http://totallydublin.ie/)

 

3.2016年バリスタチャンピオンシップがダブリンにて開催決定

また、ダブリンのコーヒーカルチャーが盛り上がっている、という事実を裏付ける理由として決定的な出来事が、World Barista Championship 2016の開催です。
過去の開催地を参照すると、どこもいわゆる「コーヒーが熱い」と言われている場所ばかり。今回開催地として選出されたことで、ダブリンも晴れて「コーヒー先進国」として名を連ねることとなったのです。
 

WBC過去の開催地一覧

2012 オーストリア ウィーン
2013 オーストラリア メルボルン
2014 イタリア リミニ
2015 アメリカ合衆国 シアトル
2016 アイルランド ダブリン

(参考:ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ, Wikipedia)

ちなみに、アイルランド出身のColin Harmon氏は過去に同大会においてファイナリストとなった経緯を持つ、アイルランド屈指のバリスタです。現在はロースターカフェ『3FE』を起ち上げ、ダブリンのコーヒーを語るで上で欠かせない存在となっています。

 

2013 WBC Semifinals – Colin Harmon, Ireland

アイルランド, カフェ, ダブリンイチオシのカフェ『Fumbally』も3FEの豆を使用

 

まとめ:コーヒー・カフェの熱い場所、ダブリン

さて、以上のこの国のコーヒー文化が面白くなってきている、というざっくりとした考察でした。
「カフェ・コーヒーカルチャーが熱い」というお話をふわっと書いてみましたが、この国のコーヒー界隈の”空気感”が少しでも伝われば幸いです。

アイルランドの新しい側面・価値を日本語で紹介する、 というのもこのブログ「ワンダラーズ珈琲」の一つの目的です。もちろん、この国の古きよきアイリッシュカルチャーへの尊敬の念は常々持っていますし、そういったトラッドな文化があってこそ、という事実は言うまでもありません。しかしこの国アイルランドは、多文化多国籍国な国家であり、人・文化の往来が活発な場所です。ダブリンにはそういった人と文化の流動が生み出した魅力的な副産物が凝縮されています。

ダラダラと冗長に書きましたが、これからも、良質なカフェの紹介を通して、知られざる「新しい」アイルランドをご紹介していきます!
 

参考:
『知らなかった!おいしいコーヒーの深い話 誤解されたサードウェーブの真実』盛田 諒(RyoMorita)/大江戸スタートアップ週間アスキー
『【旅と人】コーヒーの聖地「ポートランド」で飲みたい、この10杯』AllAbout
『 地球の歩き方 アイルランド 2015~2016 』,ダイヤモンド社
『 アイルランドを知れば日本がわかる 』,角川oneテーマ21 A 101

 

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2件のフィードバック

  1. maina より:

    初めまして。
    6月のWBCに合わせてダブリンに行ってそのままアイルランドでワーホリ予定のものです。WBC楽しみですね。
    いつも楽しくブログ読ませていただいています。アイルランドの情報は少ないのでこのブログが本当に役に立っています!ありがとうございます!

    • Shimpei より:

      Mrinaさま

      コメントありがとうございます。
      WBC、本当に楽しみですね!
      そしてそのままワーホリでご滞在されるのですね!ぜひぜひ、ダブリンのカフェを楽しんでくださいね。
      そして、ブログ情報がお役に立てたみたいで、良かったです!
      これからもよろしくお願いします。

      SHIMPEI

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